05.5.3NAC主催イベント FOREVER LIVE 81
「君はギターの弦を切ったことがあるか?」

(みよけんの独り言)。

今でこそ、スーパースターとなった長渕剛。昨年8月には故郷である鹿児島県桜島にてオールナイトLIVEを敢行し、
現在もその活動は精力的でその活躍を我々はいろんなメディアを通し知ることである。
しかし彼の原点はアコースティックギター1本でのLIVE活動であった。

1981年に発売された「LIVE81」というアルバム、今では考えられないギター1本でのステージが表現されている。
それは05年である現在(いま)からさかのぼること24年前のこと。

音楽は時を経て時代を映す鏡として、様々にその形を変えてきた。
しかし、何一つ変わらないモノがある、
そう、あの日あの時その音に衝撃を受けアコギに魅了され、そして現在も弾き続けている輩がいるということ。
私のように長渕剛に何かを感じてギターを始めた人もいれば、
もっとそのルーツ70年代・4畳半フォークに触発された人、そして現代の音楽シーンにて
その素敵なメロディーに改めて感慨を新たにした人・・・。

今回のこのイベント、きっかけは異なってもアコギを愛する仲間達が集結した。
それは自然というよりむしろ必然的であろう・・・。



「君はギターの弦を切ったことがあるか?IN KAKADO」
ひょんなことから知り合うこととなったNACメンバーにより、今年5月3日、24年ぶりに「LIVE81」は再現された。
この記録はそんなギターFANたちの小さな物語である。

1.CEO&GMの戦い(05.3.未明)
今回のイベントはGMこと川久保氏の発案により実現された。人間、口にするのはたやすいが行動するとなると
そのエネルギーたるや半端なものではない。
ましてや今回の趣旨のひとつである「参加型」というコンセプト。
一個人がその個人的趣味の範囲内で行うものではないのだ。
そう、そこには自然といろんな人間たちがかかわってくる。
数々のイベントを企画・実現してきたCEO&GMであったが、ステージという刹那的瞬間を演出するには、
出演者の協力はもちろんのこと、機材の準備、リハの予定、動員人数の調整とそれにともなう席の確保、
ライブハウス運営者との折衝、金銭管理・・・数え切れない難問が降りかかってくる。
そしてそれらを全てクリアして、初めてそこからがスタートなのである。
いつも笑顔が絶えないCEO氏は周りの空気を読み細かな気遣いを怠らず、
そして今回のイベントに情熱をかけるGM氏は、
「皆が楽しめれば俺は満足さ」口にしながらイベントの話題に触れるとその表情は真剣そのものだった。

〜私事だが、こんなエピソードを。

会場であるKAKADOにてリハを行う予定であった4月某日。あらかじめ私はGM氏にその練習日を告げていた。
しかし、サラリーマンの悲しい性、私の元に突如、本社から役員が私の勤める事務所に来るという連絡が。
その日が練習予定日と重なってしまったのだ・・・!

そんな中GM氏よりрェ入る。
「みよけんよ、明日大丈夫か?」
私は事情をGM氏に伝えた。「実は明日は予定が入ってしまい・・」
ひと呼吸時間をおいたGM氏はこう言った、「いいよ、仕事なら。こっちは遊びだし」。
それはじつに静かなGM氏の言葉であった、しかしその瞬間私の脳裏を駆け巡ったのは「違う!」という言葉。
そう私はその「遊び」という言葉に妙な違和感を感じたのだ。
アコギ好きが集まり、アコギ好きが大きな一つの目標に向かって走っている、このイベント。
そう、これは決して遊びなんかじゃないのだ。CEOとGMという人間が情熱をかけた大きな仕事にほかならないのだ、と。


2.KAKADO下見(05.4.20)
夕方6時頃、重いギターケースぶら下げ御茶ノ水へ向かう。目指すは今回の舞台となるライヴハウスKAKADO。
アコースティック専門のLIVEハウスである。
細い路地をまがり扉を開くと、そこに行き当たる今回の決戦の地「KAKADO」。
その意味はオーストラリア語で「聖地」という意。
ゴツゴツとした階段を下るとそこは隠れ家のような部屋だ。
しかしそこはこじんまりとしながらも木のにおいがほんのりとたち込めて、
そこにオーナーの音楽に対する優しさを感じさせる。
東京・御茶ノ水という雑踏の中に、ぽっかりと空いた空間。日常の喧騒の中でNACが想い求めたもの。。。
「打ってつけだよ」口にする前に、参加した連中の表情にその言葉が浮かぶ。



さっそく俺達は練習を開始する。
まずは一曲目の「巡恋歌」がCEO&GMで行われる。
ボーカルとギターの音量を確かめ、照明においても入念に打ち合わせ。
「この場面ではCEOに、この場面ではステージ全体に・・・」
いっと最初の曲である、ここでお客さんのハートを掴まないと・・・。GM氏の、ハコ運営者に対する指示の言葉の裏に
そんなものを感じた。
そして私も音合わせをし、ややしてみつさんが訪れる。「青春の影」の弾き語り、
そして特に今回、最終部でピアノを弾いてくれた方である。
「しばらくやってないんだよ〜」なんて言いながら、その繊細な指が奏でるメロディは我々のハートをがっちり掴んでいたのだ。
短い時間であったが、私はやはりここでもGM氏の今回のイベントにかける思いを感じていたのだった。。。

3.最終リハ(05.5.01)
5月1日。神奈川県高津市民会館11Fの一室。NACメンバーがそろう瞬間がそこにあった。
今まで幾つものイベントは開催してきたが今回のような
大掛かりなイベントは初めてである。


日曜日の昼下がりに集まった、重いギターをぶら下げた戦士たち。
以前からの付き合いがあって気さくに話す人たちは勿論だが、私のように初めて出会うメンバーが多いのも「参加型」イベント
ならではで、でも、ギターにまつわる話、歌にまつわる話をすれば、一瞬にして互いの距離感が溶けていくものだ。

私のように長渕剛に感化されてギターを始めた人もいれば、あぜ丸氏のように
石川鷹彦さんからギターに入った人、押尾コータローさん完コピのふく氏、尾崎豊に触発された玄米少年など
きっかけはバラバラだけど、先述した通りみな共通するのは「アコギが好きなんだ」ということ。
その証拠に、ほっとけば打ち合わせなど全く進まないで、勝手にギターいじってる連中なのである。

しかし、与えられた時間は5時間。各々の演奏にかかる時間をはかり、初めて音を合わすグリーン氏とあぜ丸氏や、
今回最年少であるしょうご君ともギターとピアノとで音合わせ。
この5時間という時間に明後日開かれるイベントの成否全てがかかっているのである。

皆、プロのミュージシャンではない。しかし、一つの目的に対し一生懸命な男(女)達が、そのリハに対し意見を
飛ばす。
「少しリズム早すぎない?」
「そこのタイミング、どうなのよ?」
「この場面のストロークはこうしないか?」

それは決して喧喧諤諤ではない。むしろ空気は暖かい、しかし皆の言葉の端々に余計に本番への緊張感が現れている。
なにが成功で、なにが失敗なのか、私にはわからない、しかし、ひとりひとりが真剣に今回のイベントへ対峙してる。
そんなものを、俺はつぶさに感じていた。
そう、明後日迎える「決戦」の日へ・・・。

4.FOREVER LIVE 81 「君はギターの弦を切ったことはあるか?」(05.5.3当日)
時はGW真っ只中。人によっては今年は10連休も取れるらしい。
恋人たちは海外へ渡り、そしてまた郷里に戻る人もおり、長期休日の過し方はひと様々。
しかし、今日この5.3、東京御茶ノ水17時過ぎの「KAKADO」の扉を開ければ、薄明かりの中にごった返す人たちが。

開演直前の会場。
今か今かと音を合わす演奏者たちは勿論、、ビデオカメラ片手に映像を確かめる長○剛氏、
席順の、急遽な変更に戸惑うGM氏(←こりゃ俺が原因だ)、つまみをテーブルごとに振り分けるCEO氏、
とりわけ京都からかけつけてくれたさかぴ〜さんの姿を見れば
今回のイベントを必ずや成功させなくてはという心持ちになる。

階段の下にはギターケースが積まれて足の踏み場もままならない。
「聖地」という高貴で透き通ったこのハコではあるが
むしろ熱気を帯びた短い時が過ぎていく。。。



第一部「いっと最初のまずはコレから!」

時は18:15。会場の熱気も充分だ!そして今、数ヶ月前GM氏の発案で始まったこのステージが火蓋を切って落とされた!
と、その瞬間!
いきなりのアクシデント勃発!!チューニングの不都合が!
しかしこれが逆に会場を一つにした!!
いっと最初の曲はGM&CEOの「巡恋歌」!!!

@巡恋歌
女性が歌う「巡恋歌」、なかなか聴けない!のっけからサービス精神に溢れてます。
A順子
早速GM氏の丁寧なギターさばきが!「OH〜順子!」合いの手が緊張気味な会場をひとつにしていく!
Bひざまくら
「僕は初心者・・」なんて言いながら、LP’Sをバックに、はなわさんの実に優しい歌声が会場に響く。
C夏祭り
これぞスリーフィンガーの真骨頂、これぞスリーフィンガーの醍醐味!GM氏にふさわしい一曲。
D祈り
「祈り」という崇高な言葉を、たかだっちさんのボーカルとギターはその言葉そのまま表現してくれた。
しばしステージに見入ってしまったな。
E暗闇の中の言葉
ホントに真っ暗闇です。スミマセン、ハイ。
FHARD RAIN
出た!ふくさん!押尾コータロー完コピ!!飄々とした人柄からは
想像できないほどの演奏!第1部を〆るに充分なギターさばきだった。



第2部「機嫌直してNAC!」

個人的見解ですが、みつさんってなんの仕事してるの?芸能関係か?!
で、第2部はSHOGO君のとんぼでスタート!
@とんぼ
今回最年少のSHOGO君であったが、カウントバッチリ!papa&mamaのバックもあり、まさに大成功!!!
第2部の「いっと最初!」として充分すぎる演奏だったね!
A15の夜
「は〜いどうも玄米です!」
都内各所でLIVE活動をしてる玄米少年登場!青春という一瞬の花がステージに咲いた情熱の瞬間だ!
B青春の影
MCとして今回活躍してくれたみつさん、こんな影もあったんですか?ホンマに?
C黄昏
NACが誇るギター職人2人のステージ。
D俺らの旅はハイウェイ
あぜ丸大先生のドブロが光るこの一曲!OMC氏のボーカル!さらに続くGM氏はさながら「谷やん」?
Eしゃぼん玉81
グリーン氏の柔らかな歌声にあぜ丸大先生のリードギターがさらに冴える。まさか2日前に初音合わせとは思えないくらいの
完成度!!!会場が聴き入る理由もわかります!
F二人歩記
ギター職人ふくさんが今度は歌い手に!弾けば「コータロー」、歌えば「まさよし」、天は二物を与えたか?
G俺らの家まで!
「機嫌直してNAC!」手拍子と掛け声がさらに会場を一つに!
H逆流
アルバム「LIVE81」では本編の〆になってたこの曲、今回の中〆としても最高の選曲・最高の演奏!
8ビートのカッティングされた音に、この日までの足音をなぞらえてしまったのはこの私だけではないはずだ!



第3部「   」
さらに磨きかかるみつさんのMC。ホント、仕事ナニ???
@石川鷹彦メドレー
かぐや姫や風、70年代の雰囲気そのままに、でもギターの音色はこの今も。手拍子することすら惜しく
聴き入りたい気分に。もうため息しか出ない。
A岡林信彦メドレー
コメントするのもおこがましい。戦うオヤジの応援団・山下氏の演奏です。次元が違うというか、なんというか、
一言「全身金縛りにあいました」。
B新しいラブソディー
透き通るたかだっちさんのボーカルに爽やかなストローク。弾き語りってのはこうゆうことを言うのだな、と正直に感じた。
Cハワイアンメドレー
ハワイアンウクレレコーナーを演奏してくれたOMOTANI STYUDENTSの皆さん、
会場の空気を和ませるには充分すぎました!
D夏の恋人
「は〜いどうも玄米です!」真っ直ぐに空へ向かうボーカル!そしてGM氏のウクレレが絶妙な味付けに!
Eろくなもんじゃねえ
「ブチリッ!!!」Martin J-40に乗り換えたOMG氏はその瞬間、今回のLIVEタイトルを体現してくれた。
Fしゃぼん玉
べっ甲淵のグラサンターボ−氏においては真っ赤なスニーカーも光って会場が一体となり大合唱に!
G夢破れて
破れかぶれの「夢破れて」。
H晴れのち曇り時々雨の日
京都から駆けつけてくれたさかぴ〜さん、実に爽やかに歌ってくれたね!
I交差点
あぜ丸さんとふくさんをバックにしたGM氏の言葉「この2人がnac事務所で弾いてくれることに幸せを感じます・・・」
その気持ちが我々にまで充分に伝わる一曲だった。
J戦メリ
息も呑む空間とはこのことだろうか?止まってしまった時間に流れるギターの調べはあまりにもたおやかだ。。

第4部「EVER【NAC】」

いよいよエンディング。そのいくつもの波が押し寄せる。
観客50名のうち26名が何らかの形でステージに上がった今回のLIVE、しかしそれは当初より「参加型」と謳っていた。
確固たるGM氏の決断、その企画に変更などあるはずもない!
そう、突然の飛び入りである!今回GM氏の脳裏に燈るオーディエンスに対する想いは「君もギターを弾きたくなったか?」
今は楽器が出来なくたっていいじゃないか?ともに同じ空間を愛した仲間たち、アコギの音色を愛した仲間たちが
次々とステージへ。。。

K乾杯
STAYさん一行が合唱!
Lさようならのうた
アルバムでの最終曲。でも切なさは何一つない!
Mしあわせになろうよ
今回のイベントに対し、わざわざ製作してくれた川島氏のインストが流れる。SHOGO君もステージへ!!!



最終章「【NAC】の明日に・・・!」

時間は押していた。けどむしろ時の流れを感じさせないこの空間があった。
そして最後を〆たのはやはり我らが兄貴・GM川久保氏であった。
その曲「hold your last chance」。GIBSON J-45(1948)の痺れる音色に、この素晴らしい出会いに、
そして銭では買えないこの瞬間に我々の拳が天を突き刺す!

「・・・また逢おう!!!」
GMこと川久保さん、ホントにホントにお疲れさまでした!
そして観客を代表してひとこと言いたい、「ありがとう」と。



次なるステージ【NAP de NAC】へ!!!

終わりはない。あえて言う、終わりはないのだ。
NAC主催のこのイベント、そしてGM氏の言葉により我々は新たな明日へ向かい、
新たな局面、05.8.21へ突き進もうとしている。
その内容はあまりにも自己満足かもそれない、そしてあまりにも自己中心かもしれない。
しかし、それこそが大事なことである。そう、
大事なこととは我々ひとり一人が何を感じ何を想いどう動いたか?ではなかろうか?
05.8.21、それを証明するためCEO&GMはじめ、幾つもの人間たちが動く!

そしてそれを証明するのは、君!そう自分自身なのだ!

05.8.21【NAP de NAC】
こうご期待!!!




東京の夜、見えない星空見上げて。

酔いどれカナリア自宅より。