スラック・キー・ギターとは・・・

日本ではあまり馴染みのあない「スラック・キー・ギター」
この名称はギターの種類ではなく、演奏方法を指します。
チューニングがハワイにおいては一般的なチューニングとは少し違いました。

そもそも ギターがハワイに上陸したのは 今から170年も前のことです。
ハワイ島北西部に放牧していた牛がいつのまにか増えてしまい、手に負えなくなった
カメハメハ3世がメキシコからパニオロ(カウボーイ)を呼び寄せました。
パニオロたちがハワイでの仕事を終えて故郷に戻って行き、その時の置き土産がギターだったのです。

しかし肝心のチューニングを教わらなかったハワイの人たちは、
独学で弦のセッティング繰り返しているうちに、
自分たちにぴったりあったチューニングを発見しました。
自然発生したチューニングの数があまりにも多いので、それぞれに名前をつけて呼ぶようになったそうです。
今ではスラッキーギターの代表的なGチューニングは、別名タロ・パッチ(タロ芋畑)チューニングと呼ばれています。

今でもこのチューニングの数がどれくらいあるのか、はっきりしていません。
スラック・キー・ギターは70年代まではシークレットの部分が多く 
特に チューニング、奏法に関しては秘伝とされ実態すらよく解りませんでした。
現在でも100以上のチューニングが残っいると言われています。
但し、1人が100ものチューニングを使う、というのではなく
一人が数種類のチューニングを使って演奏します。

なぜ このチューニングがこんなに大事かというと、そのチューニングでしか弾けない曲を
ハワイの人が作りだした事 
もうひとつは、そのチューニングでしか出せない美しいハーモニーがあるからです。
チューニング同様、演奏法もその数だけ存在します。

秘伝中の秘伝とされていたスラッキ・キーギターを一般的にしたのは一人の偉大なミュージシャンでした。
ギヤビー・パヒヌイ(1980年没)のバンドによって若者たちの耳にスラック・キー・ギターが届きました。
今のハワイの音楽にスラック・キー・ギターはなくてはならないものになっています。

ちなみに 
スラックとは「緩める」、キーは「調子」という意味です。 

代表的なチューニング

チューニング 6 5 4 3 2 1
C-WAHINE Cの女性 C G D G B D
TAROPATCH タロ芋の畑 D G D G B D
KEOLA'S C ケオラさんのC C G D G B E
F-TAROPATCH Fのタロ芋の畑 C F C F A C